彼に伝えなければ。


けど、首への拘束から逃れられず必死に酸素を取り込むことしかできない。


むせ返るような、湿気が混じった空気が肺に溜まっていく。


また、またあたしのせいで誰かが傷ついていくのをただ見てることしかできない。


振り下ろされる瞬間を、滲んだ視界が捉える。


スローモーションがかかったように、ゆっくりと倒れていく。


彼の伸ばした手が、あたしに届くことはなかった。




『‥‥ハル!!いや‥‥いやっいやぁぁぁああああああ』




「マナ‥‥ちゃん‥‥‥」


金髪の髪が、赤く染まっていくのを最後にあたしの意識は途切れた。