静かな空間の中2人の規則正しい寝息が聞こえる。


2人とも打撲ばかりで軽傷ですんだものの、未だ目を覚まさずにいた。


「早く目ェ覚ませよ」


ドスドスドス‥‥っ!


こ、この音は‥っ!


「まだ寝とんのかーっ!」


モジャ頭のヒゲじじぃが豪快にドアを開けながら部屋に入ってくる。


「もっと静かに入って来い!この、ヤブ医者が‥ごフッ」


「だーれがヤブ医者じゃ。そのヤブ医者んとこに毎回世話になるハナタレ小僧はどいつじゃ」


くちゃくちゃになったタバコをポケットから出しながら火をつける。


「おい、院内禁煙だろ」


「わしは特別じゃ」