もう一度目が覚めたのは、ある物音がしたから


無機質なバイブ音が部屋に鳴り響く。


「ん‥‥今、何時だ?」


目をこすりながら時計を眺める。


眩しい‥‥


時計の針はお昼を指していた。


部屋の中が太陽の光で暖かい。


起きて、鳴り続ける携帯を手に取った


着信を告げる携帯に終止符をうち、耳に当てる


耳に響く落ち着いたような、少しだけ低い声。


その声を聞きながら、あたしはナオを思い浮かべた。


窓を眺め、少しだけ外の世界に触れようと近づく。