結構信頼もしている。


「おなかは、満たされましたか?」


頬についた血を手の甲で拭いながら笑顔を俺に向ける。


「あぁ、ごちそーさん」


最後の1人を蹴り飛ばし、また空を見上げた。


ダメだ‥‥


じじぃの言葉を消したくて、来たのに‥‥来た時より鮮明に頭に流れてくる。


小さく息を吐いて、ハルに帰る準備をさせた。


「総長、マナちゃんが待ってます」


「‥‥あぁ」


視界の隅に今にも欠けて闇の中に消えそうな月が入ったのに、俺は気づかなかった。