いつもなら、優しく手を握ってくれるナオ。


いつもなら、笑顔で名前を呼んでくれるナオ。


なのに、どうして?


あたし、何か悪いことした?


ナオの怒るようなこと、しちゃった?


わかんない、わかんないよ‥‥っ


募っていく不安が涙として現れる。


にじんでいく視界。


うっすらと見える過ぎていく窓からの景色。


掴まれている右腕とは反対の腕で、目の端をこする。


涙の付いた部分が、冷たい。


段々と不安は、自分に対してのイラつきへ変わっていく。