誰もしゃべらない。


ナオに掴まれてる右腕は、さっきまでカナタが握ってた場所。


だけど、掴む力が全く違った。


カナタは優しかったのに、ナオのは痛い‥‥。


ものすごく‥‥


たぶん、怒ってるんだ。


引きずられるようにして、ナオの後をついていくけど気づけば後ろを振り返ってて、今すぐにでも生徒会室へ戻りたい。


だけど、そんなことが言えないくらい空気は重たかった。


ハルはなぜか妙に笑顔だし。


斜め後ろから見えるナオの顔は、笑顔でも起こってるわけでもなかった。


一番怖い、無表情だった。