「かな‥たっ‥」


あたしは、カナタに伝えようとするがカナタの腕が邪魔して名前が呼べない。


いけない、このままじゃっ


ナオは今、すごく怒ってる。


あたしの前でほとんど怒ったりしなかったナオ。


だからこそ、わかる


こんなに、寒気のするナオの声をあたしは聞いたことがない。


ダメだ、止めなきゃ。


ナオを


カナタを


「随分と、つまらない歓迎だったよ」


顔こそ見えなかったけれど、冷たいその声は本当にナオの声‥‥?