聞いたことある声が、あたしの耳に届いた。


それは、いなくてはならない人。


傍にいてほしい人。


傍にいてくれた人。


「‥‥ナオ‥‥」


唇は動かさずにそっと囁く。


「悪いが、あんな脅しだけで止められるほど。俺の気持ちは弱かねぇんだよ」


カナタが低い声でナオと話す。


脅し‥?


一体何の話をしてるんだろう


「"あんな"‥か。あながち、嘘じゃねぇんだけどなぁ」


あ‥この声‥ヤバい