目の前にあるカナタの顔に、高鳴る鼓動は正直だ。 あぁ、もしかしてあたしカナタに『恋』をしてしまったのか。 熱い頬と未だ落ち着きを取り戻せない鼓動がそれを肯定していた。 「カナタ‥あたし‥」 ―――――バンっ 途端に響く大きな音。 その音にあたしは我に返った。 あたしは、今何を言おうとしてたんだろう‥ 口元に手を当てながら、空(くう)を見つめた。 「出たな、ドッペルゲンガー」 いきなり、目の前が暗くなりカナタがあたしを覆い隠すようにして再度強く抱きしめた。