「十分労わってんだろうが。手挙げてないだろうが」


「当たりまえじゃ」


「いいから、早く言えよ」


「仕方ないのぉ。とりあえず、喧嘩だけはしてくれるなよ」


釘を刺しながら、茶菓子を口に運ぶじじぃ。


「それは、向こう次第だな」


「‥‥‥‥お前さん、妹を助けると言ったな」


「あぁ。なんだ」


「過保護もいきすぎるんじゃないぞ」


「どういう意味だ」


じじぃの言葉がなぜか重く圧し掛かった。


「そのままじゃ。お前さんが考えとる"幸せ"とその子が考える"幸せ"は違う」