「あ?」


「な、なんでもないよっ!」


あたしより背の高いカナタを見上げて顔を見るけど、やっぱり目はカナタの唇に行ってしまう。


って、これじゃあたしがカナタにキスしてほしいみたいじゃん!


「おい、マナ」


カナタに名前を呼ばれ、飛び跳ねる心臓。


ケイタに名前で呼ばれてもなんともなかったのに‥‥


本当に、どうしちゃったんだろう


「お前、昨日の夜どこにいた」


「へ?」


昨日の、夜?


昨日は確かナオが初めて何の連絡もしないで、家に帰って来なかった日。