~境界線~君だけの声が聞きたくて


ホームルームが終わり、ゆずと教室から下駄箱に向かう。




私たちの学年色は緑で1年が青、3年が赤、それによって上履きやジャージなどの色が変わる。



下駄箱に着くと、腕を誰かにグイッと引っ張られて軽く後ろによろめく。




「おい、帰んぞ」


「レオ…!」



いきなりの登場に驚くゆず。そりゃそうだ


どっちかと言うと金髪に近い茶髪で、無造作にセットされた髪。
175センチ近くある慎重に、整った顔。




「えっ…だれ⁇」




私とレオを交互に見てくるゆず。
何て説明したらいいか、一瞬考えてしまった。
考えた所でこの関係には、変わらないのだけれど。




「えっと…、弟のレオって言うんだ。」



「えー!美月弟居たの⁈てゆーか、めっちゃイケメンじゃん‼」




興奮状態のゆずはほっといて、慌てて軽く腕を振り払った。




ズキンと胸が痛む。ホントはこのまま、ずっと離さないでもらいたいくらいなのに…





「じゃあ、また明日ね」



「うん!バイバーイ」





ゆずはいつも剛ちゃんと帰ってる。
私はと言うと、一瞬に帰ろうとしつこいハル先輩を振り払いながら、途中まで一緒に帰るのが日課になっていた。




なので急がないと、ハル先輩が来てしまう。





「レオ、門まで早歩きね!」


「あぁ。」





急いだおかげでその日は二人で帰る事が出来た。