ーーーまさかね。



あのモテモテのハル先輩が、私なんかをおんぶしただけで赤くならないだろう。



暑いのかな?





静かにチクタクと時を刻む、


私はそれをただ眺めてた。






重たい沈黙を破るように、先に口を開いたのは、ハル先輩だった





「……もしあいつとダメになるようだったら、…俺が美月チャンを慰めてあげる♪」






いきなり真剣な声で、顔で、話しかけて来るものだから、緊張したのに。






「いや、ハル先輩に慰めてもらうほど、バカじゃないんで。」




「えぇー酷くない?俺は好きな子にはとことん優しくするよ」





言うだけ言って、ケラケラと楽しそうに笑い、保健室から出て行く。





きっと嘘じゃないと思う
実際ハル先輩はいい人だ。






ハル先輩が出て行ったのを見計らったように、私の悩みの元凶瑞希ちゃんが入ってきた。





「美月せんぱ~い…
ちょっといいですかぁ?」





ショートのミルクティー色のふわふわした髪を揺らしながら、甘い声で私に話しかけて来る。




どうせレオの事を聞かれるのが分かり切ってるせいか、対して緊張しない。




ーーーーと、思ってたのに





「美月せんぱぁい、レオの事、好きですかー?」





ニコニコと笑って居るのに、目が、笑っていないーーー。





「何言ってるの?………好きに決まってるじゃない、キョウダイなんだから。」





まさかと思いながらも、胸の心拍数が上がっていく、



無難にそう答えるのを分かっていたように口角が上がり、また口を開く。




「いい事教えてあげましょうか?




…………先輩とレオってホントのキョウダイなんですよ」