「不毛だなぁー」
ふとゆずが言った言葉にギクリとした。
もちろん、そんな素振りは見せないで
「どうしたの、ゆず。剛ちゃんとケンカでもした?」
「喧嘩の方がよっぽどマシだよ。一方的にあたしが悪いの、」
言った意味を理解出来ない私はゆずの顔をもう一度見る。
“剛ちゃんは何にも悪くないの、ーーーーー。”
剛ちゃんは何も悪くないと言った後は、上手く聞き取れなかった。
「美月こそ最近ため息バッカじゃない。」
「だって……“瑞希”ってレオが呼び捨てにしてたんだもん。」
ハァーっと当たり前じゃない何言ってるのこの子、はみたいな顔してくる。
「呼び捨てくらい誰にでもするでしょ?」
「今まで私以外はしなかったんだよ?!」
今度こそ完全に飽きれてしまったゆずは、面倒くさいのか、
“今日まだ保健室行ってないじゃん、いいの?”
なんて言って進めてくる。
「もういいよ!保健室行って来るしっ!」
最近レオの事もあってか、あまり寝てないせいでフラフラする。
体が怠くて廊下の壁に寄りかかると、自然にズズッと下がって行く。
次第に動けなくなった私は、廊下の隅にしゃがみこんでるような変な光景だった。
ーーーーヤバい、体に力入んないよ。
保健室が教室からもっと近かったら良かったのに。
なんて事を一人でボーッと考えてと時だった。
「…………、座敷わらしみたい。」
ふと誰かの声が聞こえたと思い後ろを振り向いた瞬間、
