「あっ、あれです。奥の方にいる金髪みたいな髪」
流石に指はさせなったが、金髪はこの教室に1人なので見つけやすかった。
「へぇー、あれが?あんまり顔似てないね。」
本当の兄弟じゃないんだから、そんなの当たり前だ。
むしろ似てなくて良かったと思う。
アハハと苦笑いしていると、レオと話していた1人の男の子がいきなりこちらに気がつくと、驚いたように叫んだ。
「あーっ!3年の王子じゃん!!」
王子!?1年からそんな風に呼ばるてる訳??
隣を見るといきなりキリっと顔を引き締めて、その男の子を見る。
「俺を呼んだのはお前かー!」
「はいっ、俺っス!俺ハル先輩にマジで憧れてたんですよ!」
入学式の次の日から会えるとか最高です!などとにかくハル先輩が好きらしく、ハル先輩を見るとまんざらでもなさそうだった。
「そうか、俺に憧れてんのね。じゃあ俺のパシ…後輩第1号にしてやるよ!」
何このノリ。
てゆーか絶対今パシリって言おうとしたでしょ。
呆然と2人を眺めていると、奥の方から視線を感じた。
振り返ると、こちらをもの凄い顔で睨んでくるレオがいた。
ズンズンこちらに向かって来るレオに、あぁ、こんなはずじゃなかったのにと思う。
レオにバレない程度にチラッと見て、後で報告して拗ねるレオを見てからかう予定だったのに!
教室には野次馬などが集まっていた。きっとハル先輩目当てなんだろうけど…。
声と共に色々な感情の渦も流れ込んで来て、気持ち悪くなる。
