「あの、確かに帰ってました。けど…、」

何て説明したらいいんだろう。
またゆずの時みたいに弟って、兄弟って言わなきゃいけないんだろうか。

仕方のない事だと分かっていても、キツイ。


「あれ、私の弟ですよ。」


特に感情を込めず、悟られないように、淡々と言った。


「へっ…?美月チャンの弟くん?」


何とも間の抜けた返事をする先輩は何も疑ってない様子。
しめしめと1人ほくそ笑んでいると


「じゃあ休み時間に見に行こうよ!」


今度はわたしが間抜けな声を出した。

「、、、ふぇ?」


何でそうなるのー!と内心思いながらも、下手に断って、不信感を抱かれるよりはマシと思い込み“いいですよ”と答えた。


「じゃあ、決まりだね♪」


そう言って嬉しそうに笑うと、ハル先輩は私の頭をくしゃっと撫でてから、3年の階に向かった。



あぁ、ハル先輩と見に行ったら絶対レオが拗ねる。
想像して1人でふふって笑った。