夏休み終盤ー
菜緒とマミりんと遊んでから
3人の友情の強さが1年の時
みたいに戻りしょっちゅう
3人で遊んでいた。

美羽やミナは彼氏に夢中で
あんまり遊んでいないし、
みんなで遊ぼうという計画も
儚く、叶いはしなかった。



結乃はいつものように、
昼ドラを見てエアコンをつけ
何不自由もない生活を過ごしていた。


♪~♪~♪~♪
今日も結乃の携帯は鳴り響く。
今日も菜緒かマミりんの電話だと思っていたけど…


ディスプレイに映し出された
名前は廉という一文字。

結乃もまさか電話がくるなんて
思ってなかった…

緊張する気持ちを抑えて…
通話ボタンに手を伸ばす。


「もしも…」


「遅い…」


言葉を遮るなり廉は電話に
出るのが遅いと、不機嫌。

結乃はすぐ不機嫌になる廉を
おもしろおかしく思っていた。



「珍しいね、電話」



「チビ、暇してるってマミちゃんに聞いて電話してみただけ」


マミりん…今日も蘭君と一緒か。いいな…




「暇だよぉ~これから寝ようとしてた所♪」


「寝る!?……っそか、寝る子は育つって言うもんな~」

ケラケラと笑い声が受話器越し
に聞こえる。


「っバカー違う!」
結乃が拗ねると廉も
わりぃ、わりぃと謝ってくる。


「今から行っていいか?」


「え?どこに?」


「家の下…迎え行く」


廉の誘いは急すぎる。
電話を切って慌てて寝癖を
整えて、ほんのり化粧して
着替えて…ってしていたら

また電話が鳴るー


「着いた…けど…雨だりぃ…」

廉に雨と言われてカーテンを
開けると見事な大雨…


着いたと同時に降ってきたみたいでテンションのさがる廉。


せっかく来て貰ったし…………


「家入る?」


別にやましいこともないし、
男友達だって中学の時遊びに
きたりしてたし、問題はない。



「いや、わりぃだろ…」



「別にいいよ、風邪引かれても困るし…駐車場に停めてあがってきなよ」



「あー…わかった」


電話を切り、少し散らかった
リビングをキレイにする。

ピンポンー

数分経ってチャイムが鳴った。
ロビーの自動ドアを解除して、
エレベーターで廉があがって
くるのを待つ。