酔っているわけでもない叶愛。





「普通、寝起きって機嫌が悪いとかになるんじゃないの?」

「普通はね。叶愛はとりあえず甘える」




 温かいコーヒーを2人分入れてくれた凍弥は一つをテーブルに置き、一つを口にする。





「今日は、暇なんだけど…2人はどうする?」

「俺らはこの辺りを散策にでも行くつもりだったんだけど」

「じゃあ案内してやるよ」

「サンキュ。午後は部活あるから」





 コーヒーを口にして、叶愛を眺める。




 いつ見ても可愛い顔をしている叶愛。





「あ、空汰の妹さっき服とか持って来たぞ」



 そう言って大きな鞄を玄関から取ってきた凍弥は俺の横に置いた。



「部活の準備物も入ってるからって」

「ありがと」




 向かいのソファに座った凍弥はテレビを付ける。