「朝から姉貴のラブシーンとか見たくないんだけど」

「ラブシーンじゃねぇし」

「じゃあ弟の前で堂々と襲わないでください」




 部屋に入ってきた凍弥は寝癖がついている。





「襲ってないから」

「あ、叶愛の寝起きは見ない方がいいよ」

「え? なんで」




 ゆっくりと起き上がった俺は捲れてしまったブランケットを叶愛にかけ直す。




 もう一度凍弥を見ると無表情。





「きょうだいでもやられるから」

「え゛」




 見たいようで見たくない。



「この叶愛が寝ぼけるんだよ」




 気持ち良さそうに寝てる叶愛を見ると、寝顔だけで死にそうな俺に寝起きは確実に耐えられない。





 どんだけ惚れてんだよって話だよな。





「俺、避難してるから。凍弥起こして来て」

「いいの? 俺、襲っちゃうよ」

「冗談きつい」

「うん、ごめん」




 こいつ無表情で冗談とかマジやめてほしい。