「…汚い」 「ごめ…」 「行ってきます」 彼はそれ以上、何も言わずに鞄を持って玄関に向かう。 「あ、今日は帰り何時くらい?」 「…知らない」 「そっか、行ってらっしゃい」 彼を見送って私も自分の準備をする。 制服に着替えたらちゃんと戸締りをして学校に向かう。 「おはよー☆ 叶愛!」 「おはよ」 「昨日はどうでしたかー」 「どうって?」 「そりゃぁ…ふふ、まぁいいや」 校門で会った咲と一緒に教室に入る。 「おはよー」 見慣れたクラスメイト、見慣れた風景。 やっぱりこっちの方が落ち着く。