5時半を回って、風花と凍弥が部屋から出ていく。 「風花ちゃんだっけ? 空汰の妹はちゃんと家に送っとくから」 「悪いな―」 「別にいいよ。空汰こそ、叶愛頼むな」 バイクの鍵を持って、手を振って部屋をあとにした。 思ってた奴と違ったな、凍弥。 第一印象、無愛想。 見た目冷たそうだし。 まぁ、しょせん叶愛の弟だ。 馴染めばいい奴。 「空汰君、いいの?」 「えー? 何が?」 「…私と住むなんて」 逆に嫌なのかな? とか、聞けないから「大丈夫だよ」と言っておく。