「叶愛、こっちだし」




 後ろで一つにポニーテールしてあった髪を引っ張って、反対側を向かせる凍弥。




「痛い痛い」

「…」




 おいー…叶愛に何すんのー…。





 結構大きなマンションに着いた俺らは凍弥の案内で、マンションの一室に入る。






「ここ?」

「ここ」




 シンプルにまとめられたモノクロトーンの部屋。





「生活感ないね」

「ほとんどいないし」

「何してるの?」




 キッチンに行き、4人分のコップを取りコーヒーを入れる叶愛を見つめる。






「最近は……あ、今思った…ここ危ない」

「「「え?」」」





 またすらっと表情を変えずにそんなセリフを言う。





「俺3人ストーカーいるけど……平気だよな。叶愛だもん」