行動の全てを面倒くさそうな顔でする凍弥という男。
…叶愛、男運ないのかな。
「凍弥、同じクラスの野山空汰君だよ。昨日、泊らせてくれた人!」
胸に納まっていた叶愛が、離れながら言う。
「ふーん、よろしく」
「うん、よろしく。凍弥…君?」
「凍弥でいいよ」
「じゃあ俺も空汰で」
表情一つ変えないな…。
白い肌にぱっちりした二重でブラウンの髪。
俺なんかよりずっと背が高くて、何を考えているかわからない。
「あ、てか叶愛! その荷物は重いから俺持つよ」
「大丈夫だってばー」
「もう!」
スルっと俺を避けて、どっちかも分からないくせに首をかしげながら歩いて行く。