「も、もう降りなきゃっ…」

「あー…またこけるよ?」




 そういいながら腕を離すと真っ赤な顔が俺の横に立つ。





 もっと大人っぽい子だと思ってた。






 そそっかしくて、すぐに真っ赤になって…危なっかしくて……可愛い。






 俺の横で吊皮を持ちながら揺れに耐える姿が可愛い。





 未だに俺のほうをちらちらと見て、俺が微笑むとまた顔を赤くするのが可愛い。






「あ、停車ボタン押してー」




 叶愛に言われて近くにあったボタンを押すと、にこりと笑う。






 あ、俺も今顔赤いかも。






「に…荷物持ってくね!」




 まだ照れるように笑うと一番大きな荷物を持って出口に急ぐ。






「叶愛、そんなに急がなくても…てか、重いからそれ持つよって…わぁぁあ」