「俺は仕事行くけど、片付けたらさっさと出てけよ」
「こんなとこ居たくもないから」
「くそガキ」
また舌打ちをした大和さんは鞄を持って、マンションを出て行った。
なんだあの大人げない大人は。
あんな奴には絶対なりたくない。
「空汰くーん、こっち終わったよ」
「こっちも大丈夫」
「じゃあ出よっか」
大きな鞄を抱えた叶愛が微笑んで入り口に向かう。
「叶愛、貸して」
「へ?」
鞄を叶愛から奪って先に扉を開ける。
「空汰君も荷物持ってくれてるんだし、それくらい持つよ!!」
「こういうのは俺に任せて―」
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