「初めまして! 空汰君のクラスメイトの天海叶愛です」
空汰君の隣で頭を下げると、笑いが聞こえる。
「こちらこそ初めまして。空汰の父です」
「私、野山風花(のやま ふうか)!」
風花ちゃんという女の子は、空汰君に似てすごく可愛らしい子。
今、高校一年生らしい。
空汰君のお父さんは優しそうな目が空汰君そっくりで、家族を和やかな雰囲気にしているのが分かった。
「さっき空汰から事情は軽く聞いたわ。今日は遠慮せずにくつろいでね」
「え!…いいんですか?」
「もちろんよ〜、叶愛ちゃん可愛いし大歓迎よ」
楽しそうに笑う空汰君のお母さん。
「あ、夕食まだよね? うちも今からだから作るわね〜♪」
「手伝います」
「ホント!? 風花何もやってくれないのよ〜」
空汰君のお母さんとキッチンに行って準備をする。
「手際がいいのねぇ〜」
「そんなことないですよ」
「空汰から前のマンションが工事することになったからって聞いたわ。独り暮らししてるの?」
空汰君……私が傷つかないように思い出さないようにいってくれたのかな…。
ありがとう……。

