「何この子、何この子!! めちゃくちゃ可愛いじゃない〜♪」
ぐりぐりと頬を擦り付ける女の人。
「母さんー!! 叶愛、嫌がってるって」
「叶愛ちゃんって言うの!? 名前も可愛いわね〜」
く、空汰君のお母さん…。
似てるかも。
空汰君が無理矢理、私と空汰君のお母さんを引き離す。
「や、やっぱ公園戻ろう!! ここにいちゃ、叶愛危ない」
「空汰、わ…分かったから、部屋に入んなさい」
スキップしながら家の中に入って行った空汰君のお母さん。
「叶愛、ごめんな。あんな母さんで…」
「ううん、嫌な事忘れられそう」
リビングに行くと、可愛らしい女の子とお父さんらしき男性がソファに座ってる。
「あ、お兄ちゃんの彼女!?」
「違うよ〜、友達」
空汰君が笑って答える。
今、少しだけチクンッとした。

