「…私、大和のコト何も知らないの。誕生日も…どこの会社で働いてるとかも…聞いても教えてくれなくて。どうでもいいでしょって」
今考えてみればおかしかったんだよね。
1年も付き合ってるのに、なーんにも手を出してこないんだもん。
手を繋いだことさえ、1回か2回。
デートも片手で数えるほど。
「家で会ってるのにデートなんている?ってよく言われた」
「何それ…(笑)」
「それとこれは別でしょ?」
「当たり前じゃん!」
キスなんて一度も。
たぶん他の女の人で満足させてたんだろう。
「その癖…パパとママに挨拶させてとか…頻りに言われた」
「そっか…」
少しずつ暗くなっていく空に悲しさがこみ上げる。
「…なんで気付かなかったのかな…、バカだよね」

