暫くしてニコニコして戻ってきた空汰君は私の横に座る。
「あ」
何事もなかったかのように私と喋っていた空汰君は一方のほうを見て、固まっている。
自然と私もそっちを見る。
「…大和」
「やっぱりあの人が叶愛の彼氏?」
「…うん」
思った通りで女の人の腕が大和の腕に絡みついている。
…仕事、じゃなさそう。
「…叶愛……」
「き、気にしなくていいよ…空汰君は」
「気にするよ! 好きな人でしょ? 彼氏でしょ? なんでこんな叶愛の大切な日に女の人と歩いてんの!?」
立ちあがった空汰君は、大和の方にかけて行く。

