職員室に遅刻届を出して、教室に向かう。
「叶愛ちゃんが遅刻とか珍しいね~」
みんなにそう言われた。
「何かあったの?」
「え? 何もないよ?」
「そっか♪ 寝不足で遅刻したのかと思ったー♥」
咲がニヤニヤしながら私の肩をたたく。
「もー! 違いますー」
適当に返して、席に着く。
丁度昼休みで、みんなが購買に走ったり机をくっつけたりしながらいつも通りの騒がしい教室の中視線を感じる。
視線が送られてくる方を見るとニコニコした空汰君が手を振っていた。
「おはよ~」
「あ、おはよ」
手招きをされて、近くに寄って行く。

