「見て、この目」
「ん?」
「何か寂しそうにこっちを見てる、笑ってるはずなのに」
「うん…」
「叶愛ちゃんもでしょ? 寂しいのに笑ってる」
そう言って叶愛ちゃんの頭を撫でる。
無理して笑わなくてもいいのにさ。
俺が気付いてないとでも?
俺の前でくらい本音を出してもいいのに。
「はは、なんで分かっちゃ…」
目を赤くしてぎゅっとぬいぐるみを持つ。
「そのぬいぐるみ…大事にしてあげて? 俺は味方だよっていう印」
「うん…」
「なんなら俺と一緒に寝てるとでも思って(笑)」
「ふふ、ありがとう」
嬉しそうにお礼を言う叶愛ちゃん。
こんなに話す前はもっと大人っぽくて、俺何かよりずっと考えを持ってて、すごい人なんだろうとか思ってたけど…そんなことなかった。
寂しがりやでぬいぐるみが好きな可愛らしい女の子で、守ってあげたくなる。

