「…って、マジごめん!」
今、野山君が必死に謝ってます。
「ホントにいいよ。気にしないで?」
「俺…部活命だからバイトしてねぇし…」
「いいの! もう十分だよ」
ファーストフード店で、久しぶりのハンバーガーを食べる。
「おいしいよ」
「俺、かっこわりぃ…」
「全然だよ、1人で食べるよりずっと楽しいもん!!」
いつもただ広い部屋で1人で夕食を作って二人分並べながら待つのってすごく寂しい。
挙句の果てに待っても、食べてきたとか…寝ちゃったりとかで。
「一緒に食べてくれる人がいるだけで全然違うんだよ? すごくおいしい」
「叶愛ちゃん…」
「この2,3ヵ月間…夕食を1人で食べないのが夢だった(笑)」
「お、俺でよかったらいつでも付き合うから誘って?」
「ありがとう…」
うん、と返事すると野山君も嬉しそうにポテトを一つつまんで口にいれる。

