「こんなこと…相談するの間違ってるかもしれないけど…」

「うん」





 可愛い顔をしている野山君も真剣な顔をするとすごく男らしい。





「最近、うまく行ってないの。違う違うと思うけど…知らない女の人から電話かかってきたり…丸くて綺麗な字の電話番号がポケットから出てきたり…」

「…うん」




 あ、何だかすらすら出てきちゃう。





 …こんなに不満溜まってたんだ…。







「…ごめん、こんなに愚痴こぼしちゃって…」

「俺は全然いいけど、まだ言い足りないでしょ(笑)」

「…かも」





 私が頷くと、クスッと笑って髪をぐしゃぐしゃと撫でる。




「わぁ、びっくりした」

「叶愛ちゃんはよく頑張ってるよ。きっとさっきの事、大和さんには話してないんだろ?」

「うん…」

「たまには言っていいんじゃない?」