「俺が、守る」

「先輩でもそんなセリフ言えるんですね」

「おまっ…」






 小さく笑ったアイツは、やっぱどこか空汰に似てる。





「もう一回…名前呼んで下さい」

「…野山」

「違う、下の名前!」

「…・…ふ、うか…」

「ふふ、なんですか? 凍弥先輩!」






 すげぇ嬉しそうに笑う風花。





 ちゃんと大事にするから、もう離れていかないで。







「凍弥でいいよ」

「…え、いいんですか?」

「ん…あと、敬語使わなくていいから」





 嬉しそうに俺の名前を何度もつぶやく風花が可愛くて、抱きしめる力を強めた。





「空汰と叶愛みたいな恋人にはなれねぇけど、いい?」

「うん、凍弥…がいいの」

「そか…ちゃんと言葉にはしなくても…伝わって?」

「うん」




 俺が守って、愛すから。