可愛い系男子



 いつの間にか滲んできた涙がカッコ悪くて、見られたくなくて…。





 座ってた俺は立ちあがる。





「じゃーな」




 鼻声なのはバレただろうか。





 最後までかっこわりぃな。






 歩きだした俺は、頭からアイツのことをかき消そうと必死。







「先輩ッ」





「―――え?」







 足が止まる。




 止められたんだ。






 後ろから抱きしめられた俺は、腹に回ってきた細い腕を見つめる。






「あの、えと……」

「何」

「……行かないで…ください」