可愛い系男子





 泣いてしゃくり上げているアイツを引き寄せる。





「大丈夫か…?」

「先輩っ…」






 俺に抱きつくこともなく、俺の顔を見るなり離れた。






 え…?




 それがあまりにショックで、八つ当たりの様に周りの奴らを殴った。







 振りかえると、アイツはいなくて。







「あー…フラれた」






 そりゃそうだよな、守ってもやれてねぇんだもん。






 倒れている男どもに、傍で震えあがってる女ども。






「なぁ、どうしてくれんの? 俺、フラれたじゃん」

「…」





 それだけじゃ諦めたくなくて急いで、屋上をあとにする。