私たちも振り返ると、丁度向こうの角を曲がってきたであろう空汰君の妹の風花ちゃんがこっちを見てる。 「…凍弥先輩……」 びっくりしたような顔をした風花ちゃんの目には涙の痕があった。 小走りで風花ちゃんの元まで行った凍弥は風花ちゃんの顔を覗きこんだ。 「大丈夫か?」 「…先輩ー…」 状況が読めなくて、ボーっとしてる私たち。 「わりぃ、二人とも行くわ」 「え、あーうん」 空汰君が返事をすると凍弥が風花ちゃんの腕を取って消えていった。