それぞれの進学先も決まって来て、卒業シーズンを迎えようとしている。
私は医学の方に進学が決まって、空汰君も進学。
先生になりたいんだって。
咲と隼人君はデザインの方に進学が決まって、凍弥は会社を継ぐために勉強。
離れ離れになるのが目に見えるように分かってきた。
「でさ、駅前に新しいケーキ屋出来たでしょ? 行かない?」
「うん、行きたい!! 行きたかったのー」
じゃあ行こっかと、手を繋いで見慣れた道を歩く。
角を曲がるところで、焦った凍弥と会った。
「あれ、凍弥どうしたの?」
「うわ…叶愛と空汰!」
「何かあったのか?」
「風…いや、何でもねぇ…急いでるから………て、あ…」
私たちの後ろに視線を送った凍弥は、小さく微笑んで声を漏らす。