「叶愛ちゃんのほうが可愛いよ」

「お世辞が上手いね」

「はは、お世辞じゃないよ」




 どこから出してきたのか、パックのオレンジジュースを渡される。




 野山君は牛乳。





「ありがとう…お金は「あ、そんなのいいし! 昨日の卵焼きのお礼」」






 久しぶりにジュースを飲む。






「おいし…」

「何かね、叶愛ちゃんはオレンジジュース好きそう」

「それ正解だよ。一番好き」

「でも、いつもコーヒーの匂いするよね」




 そんな匂いあったんだ。





 知らなかった。





「こんなことあんまり言えないけど、コーヒーあんまり好きじゃないんだ」

「彼氏さんに合わせて飲んでるってこと?」

「まぁ…家にコーヒーとお水しかないのもある!」