「なぁ、行ってこいよ」






 卒業も間近に、空汰君に少し切なそうな顔で言われた。






「…うん」







 ちゃんとけじめをつけなきゃって思ってたけど、いざとなると不安でしょうがない。





 それは空汰君も同じようで、その日がくるまでに何度も「俺も行こうか?」って。





 その度に「平気だよ」って言う。







 本当は平気なんかじゃなくて、震えあがるくらい怖い。





 空汰君にすがり付いてでも一緒に行ってもらいたい。






 だけど、これは私の問題であって解決しなきゃいけないのも私。






 私も空汰君もそのことを理解しているからこそ、それ以上は聞いてこないんだ。