「あの男、薬売ってたみたい」
会社の人の妹があの私を刺した人なんだと思うと、ぞっとする。
大和の知り合いだったなんて思いもしなかった。
大和のことだ。
プライドが高いから、自分が間違ったことなんて絶対認めないだろう。
「叶愛ー、何考えてる?」
「うーん、大和…そんな人じゃなかったのにね」
私の知ってる大和は冷たいところもあったけど、優しいときもあった。
全て私の家が目的でした行動だったのかな。
そりゃ、空汰君のほうが大切にしたくれるって分かるし、私も幸せになれる。
だけど、大和と恋愛してて嫌なことなんて少なかったよ。
思い出が少ないからかもしれないけど…。
なんだか大和との時間や空汰君との思い出が嘘のようにさえ思ってしまう。

