「叶愛」
「空汰君ー」
病室に入るなり私を抱きしめる空汰君。
ユニフォームから着替えたのか体操服の空汰君。
「ただいまぁ」
「ふふ、おかえり! どうだった?」
「勝ったにきまってるでしょー? 次の試合にむけてミーティングしなきゃね」
そう言って可愛らしく笑う空汰君はやっぱりそこらへんの女の子より可愛い。
「叶愛こそ傷大丈夫なの?」
「平気だよ」
「もう…心配したんだからね」
「ごめん…」
少し怒った顔の空汰君の抱きしめる力が強くなった。
だけどね、喜んでもらいたくて行ったんだよ?
それだけは分かってほしかった。

