「叶愛も落ちたな、こんな奴と付き合うなんて」

「は? お前よりマシだろ。人の事、悪くしか言えねぇのかよ」






 徐々に痛みが増してきて嫌な汗が出る。




「こんな猫かぶりの奴止めて俺にしろって」

「マジふざけんな! それ以上言うと、許さないから。叶愛のなにを知ってんの?散々叶愛を傷つけたくせに今さら……俺らの間に突っこんでくんな!!」

「…ッ」



 息が上がってくる。





「…叶愛…?」

「…ん?」

「え、ちょ…叶愛!?」




 空汰君の腕がなきゃ立てない状況に気付いたのか、すぐそばにあった車いすに私を座らせる。





「叶愛、傷傷むの…? って…血…!?」

「へ、平気だから。1人で病院…戻るから。空汰君、試合に戻って?」





 眉を下げて焦る空汰君を傍に突っ立っている大和に目をやる。





「あー、刺されたって本当だったんだ?」

「え…? お前、何いって…」

「俺が刺した女に覚せい剤飲ませて…ククッ…これ以上言うと捕まっちゃうなぁ」