「ごめん、もう好きじゃないの」
そう言うと、目を見開いた大和はまた一歩私に近づく。
「なぁ、叶愛。俺…愛してやったろ?」
「今、あなたの愛は必要ないの」
私だって成長した。
この人は何も変わってないよ。
あの時と私を見る目が同じだもの。
冷たくて、見下すような…私じゃなくて私の後ろにある会社と名誉を見る目。
「なぁ、俺が告白してんだよ。頷けよ」
また一歩近づいて車いすから立っていた私の腰を引き寄せる。
「いっ…」
刺された横腹に太い腕が思いっきり当たって痛みが走る。
思わず抜けた力に気付いたのか、もっと体を引き寄せられた。

