「待ってて、送ってあげるわ」
「え、先生仕事は?」
「今、容体急変の可能性のある患者さんはいないから平気よ。みんな元気だもの」
ふふ、と笑って「出かける準備してね」と言い病室を出て行った。
先生が出て行ったあと、すぐにベッド下に置いてあったカバンをひっくり返して服を着替えて軽くメイクをする。
「いたた…」
やっぱり体をねじると痛くて顔が歪む。
服、着づらいなぁ。
そう思って簡単に着れるワンピースにした。
車いすにそっと移動している途中に先生が準備を終えて帰ってきた。
「かわいいじゃなーい」
「えへへ…」
「叶愛ちゃんの彼氏さんも可愛い感じの人だよね」
「うん、全然私より可愛いの」
なんてたくさんお話しをした。

