「お願いって! 少しだけ!」
「体に負担がかかるのよ?」
「命には別状ないでしょー?」
ため息をつきながら私のお腹の傷の様子を伺う先生。
「ないけど、あとで痛くなってもいいの?」
「いいの」
「今日だけじゃないんでしょ? 勝てば、次があるわ」
そう、私は先生に頼みこんで空汰君の試合観戦を見に行こうとしている。
今日じゃないと。
次も行くけど、今日は行かなきゃ。
「空汰君、私のせいで腕…ケガしてるのに試合出るの」
「…」
「きっと無理するから…」
「乙女ねー…」
あきれ顔の先生は、近くのカーテンを開いて中から車いすを出して来た。
「あとで痛くなっても文句はなしよ?」
「うん!!」

