可愛い系男子



 ところどころに血が飛び散っていて、現実を痛いほど打ちつけられる。






 どれくらい時間が経ったか分からない。






 叶愛は沢山の管を付けられて治療室から一般病室に移された。







 長いまつげを動かすことなく静かな部屋に機械音だけが響いて…俺を不安にさせる。






「叶愛、俺を1人にしないで…」





 ぎゅっと握りしめていた手に力をいれる。






 酸素マスクを付けている叶愛。






 髪を撫でると今にも起きだして「くう」と言いそうなのに。






 
 頼むから、俺から離れていかないで。