可愛い系男子




「叶愛! 叶愛!!」





 何も考えられなくて、ただ焦る。






 目を閉じている叶愛からは涙のあとが街灯に照らされている。








 近くを通りかかったおばさんが救急車を呼んでくれた。






「叶愛ッ!! 叶愛!」




 俺も一緒に救急車に乗り込んで叶愛の手を握り締める。






 なんで、叶愛ばっかりこういう目に遭うわけ?






 病院に着くと緊急治療室に運ばれて行った叶愛。






 倒れてからもずっと握りしめられていたスーパーの袋だけ俺の横に取り残された。