「…ヒビ入ってたの?」
「うん」
「骨折よりヒビのが完治するの遅いって聞いたことあるよ」
「うん」
俺の膝の上に座って手首をマジマジと見つめる叶愛。
「大丈夫だよ」
「でもっ…試合までもう1週間もないんだよ? ていうか明後日だよ?」
「やるから」
俺は絶対やる。
「…私のせいだよね」
「違うよ。叶愛1人ちゃんと受け止められなかった俺が悪いの」
あー…どうしよう。
この顔は絶対責任感じてる。
「いっつも迷惑かけちゃう」
「だーかーらー! 叶愛は悪くないの!」
「でも…」
なんで分かってくれないのかなー。
「じゃあさ、叶愛」
「うん…」
「早く治りそうなカルシウムたっぷりの夕食楽しみにしてる!」

