*空汰side*





 俺に飛びついてきた叶愛を抱きしめながら、女に向かって言う。








「…え?」

「いや、だから姉弟」

「―――えぇぇ!?」





 女は目を見開いて驚いたと思ったらすぐにあせりだした。






「と、叶愛さんだっけ!!?? ごめんなさいッ!! まさか姉弟だったとは知らなくて」





 叶愛に近づいてきた女は顔を覗きこむ。






 叶愛は完全にビビってしまっていて小さく震えている。





「叶愛…? 大丈夫か?」

「…空汰君~…」

「もうゴキブリどっかに行ったから」





 俺がそう言うと涙目で俺を見て「本当?」と言う。






「ホント、ホント」

「よく見ると凍弥君に似てるー…」






 とりあえず一件落着のはずだった。